湯と呼吸がゆっくり重なる、長湯の森の隠れ宿   長湯温泉 かじか庵~大分県

hot spring therapy
外観

外観

静かに耳を澄ませば、長湯温泉の湯けむりが草木の間をすり抜ける音まで感じられそうな、ゆるやかな時間が流れています。かじか庵は、そんな里山の奥に寄り添うように建つ、小さな湯治宿です。重曹と炭酸を豊かに含んだ、丸い肌ざわりの湯は、浸かった瞬間から体をほぐし、呼吸までゆっくり深くなる感覚を誘います。初めての湯治でも肩に力を入れずに自然へ身をあずけられるよう、素朴で温かな空気に包まれているのが魅力です。軒先には川音が途切れず寄り添い、低い湯温が長く浸かる時間を静かに支えてくれます。日常の速度を少し緩めて、気づけば心がふわりとほどけていく——そんな体験を求める人にこそ届いてほしい場所です。

[名称]

長湯温泉 かじか庵(大分県)
・住所:大分県竹田市直入町長湯温泉
・電話番号:0974-75-2580

[アクセス]

・公共交通機関:JR豊後竹田駅より大分バス「長湯温泉」行き乗車、終点下車後徒歩約10分

・車:大分自動車道「湯布院IC」より約60分、「九重IC」より約70分

・駐車場:無料駐車場あり(宿泊者優先)

[料金]

1泊2食付き:13,000円〜22,000円前後
素泊まり:6,000円〜
※季節・部屋により変動あり

館内

館内

長湯温泉の湯は「飲んでよし、浸かってよし」と語られるほど個性的で、その特長をいちばん穏やかに実感できるのが、かじか庵の浴室です。丸みのある湯ざわりは重曹泉と炭酸泉が合わさった長湯ならではの泉質で、肌を柔らかく包み込むように広がっていきます。湯温は少し低めに保たれ、肩までゆっくり沈むと、体が焼けつくような負荷がなく、長く浸かりながら呼吸を整える時間が心地よく続きます。湯治が初めての人でも、無理のないペースで体を開いていけるのが魅力です。

豊富な湯と“ゆの花”が特徴の炭酸泉(女性浴場)

豊富な湯と“ゆの花”が特徴の炭酸泉(女性浴場)

当館の炭酸泉はとろとろした湯触りが特徴的(男性浴場)

当館の炭酸泉はとろとろした湯触りが特徴的(男性浴場)

長湯温泉 かじか庵

湯船からの景色は、里山の斜面に寄り添う緑が広がり、季節が静かに移ろう様子を映し出します。春は芽吹きの気配が湯気越しに揺れ、夏は川音が涼やかなリズムを刻みます。秋には紅が差し込み、冬の朝には白い霜が葉先で光ります。どの瞬間にもため息のようなやわらかさがあり、湯治という行いが特別でありながら、どこか日常の続きにも感じられる空気が流れています。

当館の貸切風呂(家族湯)!ご家族におすすめ★※お部屋に備え付けのお風呂ではございません。

当館の貸切風呂(家族湯)!ご家族におすすめ★※お部屋に備え付けのお風呂ではございません。


かじか庵の魅力は、湯だけでなく、宿自体が持つ“素朴さの美しさ”にもあります。部屋は派手さこそありませんが、木のぬくもりが残る造りで、布団に身を沈めると山の夜風がそっと頬を撫でていくよう。余計なものを足さず、かといって不便にも偏らない絶妙な心地よさが、湯治という行動に寄り添っています。空気が澄んだ夜には、窓を少し開けて外の音を聞いてみるのもおすすめです。遠くを流れる川のせせらぎが、湯に浸かった後の体の余韻を静かに整えてくれます。

かえでの間

かえでの間

けやきの間

けやきの間

松の間

松の間

桐の間

桐の間

ふじの間

ふじの間

かえでの間

かえでの間

つつじの間

つつじの間

長湯温泉 かじか庵

食事は土地の素材を丁寧に扱う、やさしい味わいが中心です。大分特産の野菜や地元で採れた川魚、出汁のきいた汁物など、胃にすっと落ちていく家庭料理の延長にあるようなあたたかみがあります。湯治中の体に負担がかからないよう、油分を控えめにしたり、味の濃淡をやさしく整えたりと、料理の一つひとつに宿の気遣いが流れています。特に地元の野菜を使った煮物は、湯上がりの体が求める穏やかさに寄り添う味わいが印象に残ります。


長湯温泉の楽しみは、じっくり湯に向き合うだけではありません。周辺には清らかな水が流れる川沿いの散策道や、季節の花がそっと顔を覗かせる小径があり、歩く時間が自然と深呼吸を誘います。体の声をゆっくり聴きながら進める道のりは、湯治の一部として心と体をゆるやかに整えてくれます。かじか庵に戻る頃には、歩いた疲れより、自然と過ごした静けさの余韻が心に残っています。

長湯湖

長湯湖

長湯温泉 かじか庵

この宿で過ごす魅力は、湯の効能だけでは語りきれません。宿に流れる静寂、自然の呼吸と溶け合うような時間、食事の滋味深さ、すべてが一つの体験としてまとまり、気づけば心の奥に澄んだ余白が生まれているのを感じるはずです。日々の忙しさに紛れて忘れていた“自分の感覚を取り戻す瞬間”が、長湯の湯気の中にそっと宿っています。湯治という言葉を難しく捉えず、まずは肩の力を抜いて湯に浮かんでみる——その最初の一歩を、かじか庵はそっと支えてくれます。

広間

広間


少しだけ心を休めたいと思ったとき、かじか庵の湯は静かに寄り添ってくれます。肩を張らずに湯に身を委ねる時間は、思った以上に深い安らぎをもたらします。長湯の自然に囲まれたこの宿だからこそ味わえる静けさを、ぜひあなた自身のペースで確かめてみてください。

長湯湖

長湯湖

長湯温泉 かじか庵

心を解く旅先を探すとき、湯のぬくもりと自然の静けさが揃う場所は意外と少ないもの。そっと手元に残しておくと、ふと思い出した瞬間に役立ちます。