
人に説明するほどの元気はないけれど、どこかへ行きたい気持ちは残っている。そんな曖昧な状態で選ぶ旅先は、できるだけ静かで、できるだけ目立たないほうがいい。熊本の山あいにある守護陣温泉は、最初からそういう人のために存在しているように感じた。大きな看板も、観光地らしい賑わいもない。ただ、湯と自然と、最低限の距離感があるだけ。それが、心をざわつかせない理由だった。
[名称]
守護陣温泉
・住所:熊本県阿蘇郡小国町西里守護陣
・電話番号:0967-46-5430
[アクセス]
熊本市内から車で約2時間半。山道が続くため、明るい時間帯の到着がおすすめ。公共交通でのアクセスは難しく、車移動が前提になるが、その不便さが人の少なさにつながっている。
[料金]
日帰り入浴が中心で、宿泊の場合は簡素な滞在形式。料金は良心的で、気軽に湯を目的に訪けやすい設定。
守護陣温泉の最大の特徴は、その素朴さにある。建物は決して新しくないが、清掃が行き届き、余計な装飾がない。湯船に浸かると、源泉の力強さがそのまま伝わってくる。湯はやや熱めだが、短時間でも身体の芯まで温まる。長く浸からなくていいという点が、疲れている人にはありがたい。

露天風呂


ひのき風呂
周囲は山に囲まれ、聞こえるのは風と鳥の声だけ。人の気配がほとんどなく、視線を気にする必要がない。会話をしなくても居心地が悪くならない空気が、自然と保たれている。引きこもりがちな人にとって、この「誰にも干渉されない感じ」は何よりの安心材料だ。

【旧館】
滞在中にやることは、湯に入るか、外を眺めるか、それだけで十分。観光を組み込まなくても、ここへ来たという事実が休息になる。守護陣温泉は、目的を持たない旅を肯定してくれる、数少ない場所のひとつだ。

(旧館) 耳をすませば小鳥のさえずりが聴こえてくる素敵なお部屋です。

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人に会わず、説明もせず、ただ湯に浸かりたいときがある。そんな気分を、そのまま受け止めてくれる温泉がここにある。無理をしない外出の終着点として、選んでほしい。

秋の紅葉時期
気持ちが限界に近づいたとき、この名前を思い出す。それだけで、少し楽になる。


