撮り溜めたドラマを見ていた時のこと。芸能人の顔はわかっているが、名前がすぐ出てこない。過去の出演ドラマや映画はぽんぽん出てくるのに、絶対に名前だけが思いだせない。これってヤバい!一瞬焦ってブルーになった。後になってわかった。あれはヒューマンエラーだったんだって。
ヒューマンエラー
あまり聞きなれない言葉だが、最近目にして、自分に当てはまり驚いた。日常生活の失敗にあたる。些細なことで見落としがちだが、場面によっては大きな損失や被害へと繋がりかねない。
登録する気もないのに、ついボタンを間違えてクリックしてしまい、面倒な手続きをしたことがある。あれ以来、慎重になった。危機回避を学んだ。
小さな失敗の延長線上に大惨事があり、その本質は同じというなら、この失敗が発生する仕組みを理解していれば危機を免れるかもしれない。
スリップ
何かしようとして別のことをしてしまうこと。実行段階での失敗。
たとえ エレベーターの扉を開けようとして閉めるボタンを押す。みたいな間違い。
起こる原因として 注意不足から生じる。なぜなら人間は疲労・ストレス・注意を長時間持続するのは困難。たとえ指先呼称をしていても習慣化してしまうとマンネリ化し、無意識に委ねエラーに繋がる。
防止策として マンネリな動作に適切な注意を払う工夫。
ラプス
記憶のエラー。思い出すべき事が思い出せないこと。記憶による失敗。
たとえ 食後に飲む薬を忘れてしまう。喉まででかかった言葉が出てこない。みたいなど忘れ。
起こる原因として 人間の記憶には3ステップある。記銘・保持・想起。それぞれの段階で起こる。
そもそもきちんと覚えていないことは思い出せない。一度に覚える記憶の量がだいたい7つ程度と言われるため、一気にたくさんのことを覚えようとしても、結局覚えられない。一旦頭に入ったとしても、保持の段階で忘れてしまう。時間の経過とともに他の記憶と混じり正確さも危うくなる。また、記憶自体が正しく保たれていても肝心な時に想起できない。
記銘…覚えること。 保持…蓄えること。 想起…思い出すこと。
防止策として
メモを残す。他人に覚えておいてもらう。時間前にアラームを鳴らす。などのリマインドの準備。記憶の外在化。自力で覚えておくこと・覚えられることには限界がある。
ミステイク
勘違い・早とちり・思いこみ。そもそもやろとしていたことが間違っていた。そんなつもりじゃなかったー。
たとえ しらない人を友達と勘違いして声を掛ける。みたいな勘違い。
起こる原因として 人間の情報処理がトップダウン的(概念駆動型)情報処理容量には限界がある。こんなおっちょこちょいを無意識の経験や知識によって補うこともできる優れた認知特性を持つ。たとえ一部しか記憶してなくても、注意不足でも、初めから情報不足でも、私たちは補完し意味ある情報とし理解できる。つまり、勘違い・早とちり・思いこみは、知識や経験があるから起こるもの。
防止策として ダブルチェック・トリプルチェックなど複数人での確認。
ヒューマンエラーの定義としてすべきことをしなかった。またはすべきでないことをしたなどの人間の行為によって、意図しない結果が起こること
最後に
生活していく上で、スリップ・ラプス・ミステイクのヒューマンエラーが転がっている。このエラーを防ぐため小さなヒヤリハットの段階で、防いでいくことが必要になると思う。おおきな事故になる前の最小化の改善。